作者 長谷茂雄

第37回有頂展 作品


Evidence~ Not Guilty

ガッシュ・パステル

悪意なき犯罪行為ほど恐ろしいものはない。でもそれは実社会では許容されないのだ。


物理的時間と生命に関する対話

ガッシュ・パステル

時間とはなにか?生命とはなにか?尽きぬ議論が夢の中に現れて、昔の駅のホームから私の頭に降りかかるのだ。


おもしろ理科クラブのTシャツ 2023年版原画

おもしろ理科クラブの新しいTシャツをつくりました。

これがその原画です。

このTシャツを着て、虫捕りに行こう!!


第36回有頂展 作品

Sentimental Journey

  ガッシュ・パステル

さわやかな夏の水平線を見るために、車でドライブしていると、夕方の踏切の音が、不安と焦りの気持ちを伝えてくれるのだ。でも、波打ち際から除く景色はどこまでもなつかしい。


Purple

  ガッシュ・パステル

紫の絵が欲しいと言われて、たぶん20年以上前に描いた小さな絵です。だから手の上のハクセキレイも紫色なのです。


The Roots Of Coincidence

  ガッシュ・パステル

偶然性とは意図されたものであり、結果を求めてこの夏も偶然性に導かれて電柱の下を懐中電灯で照らすのだった。でもそこにはオオクワガタのメスしかいなかったのだった。オオクワガタの♂はいつ採れるのか!?永遠の課題なのである。


第35回有頂展 作品

通学路の日常

通学路はとても長い未知なる冒険の連続だった。いつも予期せぬ出来事に遭遇するのが日常なのであった。


おもしろ理科クラブのTシャツ原画

おもしろ理科クラブの活動をテーマにしたTシャツを作成しました。

原画は私が作成し、全体のデザインは山﨑進一さんがプロデュースしました。

かわいいデザインだと大好評です。

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獣虫(けものむし)ファイル3ルリコロガシ

原作 山﨑進一  挿絵 長谷茂雄

◼︎獣虫ファイルNo.003

【名前】ルリコロガシ

【体長】150cm

【特徴】

❶ ルリクワガタとフンコロガシの要素

❷ 体色は眩いくらいに輝く瑠璃色が基本だが、個体差が激しく、赤みを帯びたものや、ブルーに光るもの等多彩

❸ 後脚を使って、自分の卵の入ったフンの塊(糞球)を器用に転がして、子育てをする。

❹ オスには大きな大顎があるが、メスには無い。オスの転がす糞球には、メスの幼虫が、メスの糞球には必ずオスの幼虫が入っているが、理由は不明。

❺ 卵は宝石の様に美しく、大きさは5センチくらい。孵化した後も、成虫になるまで、糞球の中で暮らし、その間親は幼虫にエサをは与えながら、糞球を転がし続ける。

【生息地エリア】エジプト〜モロッコのアフリカ北部地方

【生息時期】古くは紀元前から、100年に1回くらいの割合で、大量出現の記録が残っている。

シーン1.ファーマー博士の発見

ファーマー教授の専攻は、昆虫学である。特に絶滅したとされる昆虫の化石等を研究し、進化の過程を探ることが、彼のライフワークとなっている。

1999年の7の月、アフリカ北部の砂漠地帯で、1メートル近い昆虫らしき化石が発掘されたとの情報が入った。

「1メートルの昆虫?」ファーマー教授の血が騒いだ!彼は直ぐに確認すべく現地に向かった。そこで彼が目にした大型化石は、確かに脚が6本あり、ずんぐりむっくりしている。フンコロガシかセンチコガネに似た形状のように見えるが、なにしろとてつもなくデカイ。様々な昆虫化石を目にして来たファーマー教授でも、全く目にしたことのない怪物昆虫だった。ファーマーはその周辺を徹底的に掘れ!と指示した。

すると化石と共に大きな土の塊が多数出土した。何かの卵のようでもある。その一つを割ってみると、中から眩いくらいに光り輝く50センチ〜1メートルくらいの大きな大きな宝石が出て来た!色は瑠璃色で、キラキラしている。と、その瞬間、ピキピキッと、その1個の宝石が割れ出して、中から15センチ程の生きた昆虫が現れたではないか!

それはまさしくセンチコガネの超大型個体という感じであろうか?

しかも生きているのだ!色は瑠璃色に輝きとても美しい。

「これは、世紀の大発見だっ!」

ファーマーは叫んだ。

同様に他の卵からもピキピキっと割れて数匹が生きたまま現れた!

「凄いゾ!」「ウワァー!」スタッフからも歓声が上がった。

シーン2.ルリコロガシ出現!

ファーマーは、しばらくこの昆虫達の研究観察をすることにした。

しかしどうしたことか?なんと全ての成虫個体は、僅か一週間で死んでしまったのだ…。

ファーマーは落胆した。

「やはり、古代の昆虫が現代で生き延びるのは難しいのだろうか?」

残すはあと1個。1メートル以上ある最大の卵のみとなってしまった。

ファーマーは、この大型の卵を自分の生涯を掛けて研究しようと心に決めて、24時間体制で観察することにした。

孵卵ケースの横に自分のベッドを置いての観察が始まった。

観察を始めて二週間くらいは経ったであろうか?ある晩、卵の色がキラキラとまるで、クラブかディスコのミラーボールの様に輝いてクルクルと回転し始めた。

「こ、これはっ!」ファーマーは目を丸くした。

そして、回転する卵は空中に浮き始めた!そして次の瞬間!

バリバリバリバリっ!と耳をつんざく轟音と共に、卵がドゥギャーンと孵卵ケースもろとも大爆発した!

「うわぁー!」、ファーマーは爆風と共に壁に身体を打ちつけられた。両足が焼ける様に熱い。

そして恐る恐る顔を上げて見ると、なんとそこには2メートル近くはありそうな、巨大なバケモノ昆虫の姿が!

しかも、鋭利な大アゴがあるではないか?

バケモノは、「パウォン!」「パウォ〜〜〜ン!」と、まるで映画のゴジラの様な雄叫びをあげた。

ファーマーは、気を失いそうになりながらも、懸命にそのバケモノを見つめ、観察を続けた。

すると、そのバケモノは、ファーマーに気づき、こちらに目を向けた。そしてファーマーと目が合った瞬間、ニヤッと笑ったのだ!(というか、ファーマーは、そう感じた。)

そして、ファーマーににじり寄って来た。ファーマーは冷静だった。鋭利な大アゴには、2つの内歯がある。目は栗色。触覚がやたら長い。しかし昆虫とは明らかに違うまるで猛獣の様な口があり、長い牙が2本見える。と観察を続けた。

そのバケモノは更にこちらに寄り、長い触覚で、ファーマーの頬をシュシュっと撫でて、またニヤッとした。

そして、くるりと背を向け、研究棟のドアをブチ破り、「パウォン!」「パウォ〜〜〜ン!」と叫びながら、闇に消えて行ったのだ。

ファーマーは全身打撲と両大腿骨骨折という重傷を負ったが、命には別状無く、

その後もこのカイブツ昆虫のデータを整理し続けた。そして、この消えて行った怪物に「ルリコロガシ」という名前を付けて、2005年に亡くなった。


第34回有頂展 作品

京成電車の記憶

ガッシュ/パステル

電車の夢を見た。

それは高校生の頃通学に使っていた赤電という京成電車の車両だった。

床の間のある部屋のこたつでうたた寝をしていると、気づいたら柴又駅のホームにいたのだった。

そして門前の高木屋老舗に団子詰めを手伝いに行かなければと思うのだった。


クール・ストラッティン

ガッシュ/パステル

ブルーノート1588 「Cool Struttin’」は、悲劇のピアニスト  ソニー・クラークの名盤だ。

録音されたのは1958年で、私が生まれる一年前だ。

その頃はまだ汲み取り式だったはずだが、それはおぼろげな記憶だ。

小学生の頃は、和式トイレに水洗がついたものが主流になっていったように記憶している。

参考ページ→新宿ジャズ談義